2018年5月7日月曜日

「怒り」とは何なのか。

息子が小さい頃から、プレッシャーがかかると言葉がでなくなりがちな子供だった。

私は私で、生い立ちが色々あるもんで、怒りのコントロールがなかなか難しい時がある人。

一昔前の息子は、私が怒る様子が見えると途端に萎縮し声がでなくなった。何か話せと促しても「怒られている怖い」「怒られている自分は悪い事をした!」「失敗した!」という喪失感と敗北感と不安みたいなのが一気に襲ってくるらしく。

長年その対処には頭を悩ませたが。息子がある程度の年齢で会話で様々なニュアンスが伝わるようになった頃を見計らい。そもそも「怒りとは何なのか?」を説明する所から入った。

君が怒られる時には、いろんな可能性があること。

1.絶対にやってはいけないことをした(社会悪としての)
2.相手を傷つけ、気持ちを踏みにじるようなことをした
3.約束やルールを破った
4.怒ってる人が忙しい時にタイミング悪く迷惑をかけた
5.怒ってる人の機嫌が悪い
6.怒っている人が普段から怒るのが下手くそで怒りっぽい
7.怒ってる人が変わった人で、自分の思った通りにならなくて怒ってる

まだあるかもしれない重複しているかもしれないが、ざっと挙げるとこんな感じ??で、君が怒られる必要がありそうな時って1~3なんだよね。4~7は怒ってる相手がちょっと間違ってる。そしてなんと!お母さんは4~7の理由で怒っていることもあるのです!!大人も失敗をします!大人は子供よりもたくさん勉強して知識が豊富なことくらいで、完璧ではありません!大人もたまに間違えます!

そして我が家の大事なルールです!大人も子供も平等なので、なんと子供が大人を叱っていいのです!つまり君がお父さんやお母さんに激怒してもOKなのです、だって大人も間違えるから!!!!!大人も失敗したら叱られて、ごめんなさいと謝って反省する必要があります!

この話は何度もした。段々息子も『あっ、今お母さん怒ってるの僕のせいじゃねぇ』と理解出来る日が増えてきた模様。

そしてやっと、この1年くらいかな。成長を実感する。

「おかーさん、それ僕に関係なくない?おかしいと思うんだけど。本当にうるさいね。」

よしいいぞ息子!その調子だ!ごめんなさい。




例えば仕事に置き換えてみたい。

私が情報分析するような部署にいたとしよう。店舗Aの詳細なデータが必要であったので、店舗Aの事務担当に情報を送って欲しいとお願いした。『店舗Aについて、私の方では○○と〇〇についての情報は把握しています。足りない部分を教えてください。』と詳細を提示して。が、通常業務が忙しいことを理由になかなかデータが出てこない。私が業務上のやり取りの中で「〇〇はどうですか」と尋ねれば、小出して教えてはくれる。がまとめてのデータは一向に来ない。何度も催促する、そしていつまでに可能かどうかを問うがそれも明確な返答が無い。

そしてある日、店舗A事務担当との話から新たに知らない情報が入ってきて「それは知らなかったです。大事ですね。」と答えたら『えっ。言ってませんでしたっけ?』とすっとぼけた様な返答が来た。

私はそこで堪忍袋の緒が切れた。「言ってませんでした?????じゃなくて!!!何度も何度も前から情報をくださいと催促しているのに、それがいつ頃まとめて出せるのかを問いただしても明確な返答も無くて、仕方ないから私が最低限聞きだしてまとめているような状況で困っているのに『言ってませんでした?』だと…!!!」

店舗A事務担当にとっては仕事の優先度として私の依頼はとても低かった。私としては高かった。店舗A事務担当にとっては『私さんっていつもイライラした返答してくるからちょっと怖いんだよね』と周囲に漏らし、その抵抗感もあって余計に業務を後回しにしていたらしい。

さて「怒り」とは何なのか。

怒る人には、相手に対しての一定の要求があるはずだ。そしてその要求が満たされない時に怒りが発生する。

・その要求は、相手に正しく届いているのかどうか
・その要求は、相手にとって過負荷なものではないかどうか
・その要求は、相手と同じ優先順位として共有出来ているのかどうか
・その要求を満たすのに必要な期間をお互いで確認しているかどうか

結局、要求にどう対応できるかとう関係の中で発生する歪みだと思う。この稚拙な例えだって、怒ってる方の人間にもツッコミ処は満載だ。実現不可能な期待を無駄にかけるな。期日を設定しろ。

例えば育児に置き換えてみたい。

子供が一人で牛乳をコップに注ごうとして、うまくいかず派手にこぼしてしまった。つけっぱなしのテレビの画面に気を取られて目を離してしまったからだ。母親は仰天する。私がこれを片付けるのか!また家事が増えた!子供の不注意のせいで!もはや走れメロスの一節である、母親は激怒した。

さて「怒り」とは何なのか。

・子供は、一人で牛乳パックを支えられる程度の筋力があったのだろうか
・子供は、一人で牛乳パックから液体を注ぐことが可能な発達段階だっただろうか
・テレビはその間、集中出来るように消すことは出来たのではないだろうか
・母親は、子供が万が一失敗した時に備えて隣でサポートする必要はなかっただろうか
・母親が普段怒ってばかりで、子供が委縮して緊張し過ぎて手元が狂ってはないだろうか

回避する方法や、その要求が適切だったかどうかの内容と

・母親は、子供一人でやって貰えると楽である
・母親は、こぼれた牛乳の掃除は大変だと思っている

母親の感情。色んな断片から色んなことが思い浮かぶ。

さて「怒り」とは何なのか。今、これを読んだ貴方が感じた最近の「怒り」は果たして適切な物だったのだろうか。貴方の感情からくる、満足できなかった要求や理想と違う現実への違和感からくるものではなかったか。

力の強いものが弱い者に対して怒りをぶつける時、弱い者は全て受け止めなくてはいけない状況が生まれることは現実では多い。「怒り」の原因はどこにあるのかに思考を巡らすことをせず全て「自分が悪い」「怒っている人が怖い」「もう怒られたくない」と、とにかく回避したい衝動に駆られてしまうことが多いかもしれない特に子供。

「怒り」とはどんな感情なのか。それを知ることで、きっと弱い者は強さを身に付けていくのだと思う。感情の分解は大事だねってイメージの話です。

今日も息子に謝ったよ…ほんと親がクズだと子供は立派に育つなぁ。

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