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タイトルがアレですけど、真心ブラザーズとは一切関係ございません。
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突然だが、カーポンの話をしよう。カーポンは、ビートルズが大好きだ。カーポンは何よりもジョン・レノンが大好きだ。そして1枚のCDからこの話は始まる。
とある日、私はカーポンと喫煙所で会った。部署が違うのであんまり良くは知らん人だったのだけれど、2人で並んで煙草を吸いながら、ちょっとだけ音楽の話をしていた。お互いに良く知らない間柄なので、とりあえず共通点を見つけようとか、そういう類の会話だったはず。
私:「ジョン・レノンというかビートルズ自体、あんまり聴いたことないや。カーペンターズは中高生の頃に聞いてた。」
カーポン:「あー、もったいない。あんなに素晴らしいものはないぞ。」
で。
私もカーポンも、その日はCDウォークマンを持っていたのでお互いに今ウォークマンに入っているCDを交換しちまえ!ということになった。
私のCDはThe pillowsの『Thank you, my twilight』、カーポンのはジョン・レノンの『ジョン・レノンの軌跡』という1976年に発表されたベスト盤であった。
カーポン:「ジョン・レノンは本当に好き嫌いが分かれるからね。軽く聴いてごらん。」
カーポンはすごい勢いでニコニコ笑っていた。ニコニコ笑って、ジョン・レノンの話を色々してくれた。この人どんだけジョン・レノンが好きなんだよってレベルで。
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家に帰ってから私はぼんやりと『ジョン・レノンの軌跡』を聴いていた。“パワー・トゥ・ザ・ピープル”や“イマジン”など知っている曲も多くて聴きやすかったのだけれど、私はこのCDの中でどうしても耳に残る曲があった。
“夢の夢”(原題:#9 Dream)という曲である。
それはそれは不思議な音楽だ。私は英語がとても苦手で、それが起因していて洋楽をあまり聴かないのであるが、なぜだかこの曲のサビが不思議と耳についてメロディーを覚えてしまった。
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翌日。朝も通勤中にこのCDをウォークマンに入れっぱなしだったもんだから聴いていて、私はこの「#9 Dream」のサビの部分の意味が知りたくなった。だが、どうもこの英語、何度聞いても聞き取れない。というか、もしかしたら英語じゃないかもしれない、この詩。色々考えた末に、私はこの歌詞がどんな意味なのかカーポンに携帯メールで聞くことにした。
[私→カーポンへのメール]-------------
最後から2つ目、ハッピークリスマスの前に入ってる曲のサビ
アー カワカワ コセコセ
って聞こえるんだけどなんて歌っているんだろう?
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数分後、カーポンからメールが返って来た。
[カーポン→僕へのメール]--------------
ヤバイ
ダメ
ソレ
ハライタイ
ドウシヨゥ
オカシスギル
コセコセ
って。
!!!
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なんだか私はとんでもないことを送ってしまったらしい。カーポンが通勤途中の何処かで朝から悶絶しているのがメールで伝わってきた。仕方ないのでもう一度、「#9 Dream」を注意して聞いてみたのだが、やっぱり私には
アー カワカ~ワ コ~セコセ
としか聞こえないのだ。これはどうしたものか。ナニがどうなっちゃってんだ。どう聞いてもカワカワコセコセではないか!!他にどう聞き取ればいいのか。
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会社に着くと、ビルの玄関近くの喫煙所で、カーポンが煙草を吸っていた。
私がてくてく歩いて近づいてくるのに気が付くと、カーポンはすごい勢い「ぶーっ」と吹き出して大笑いしながら小走りに逃げた。私も「ぶーっ」と吹き出して追いかけた。朝からオフィスビルの玄関横で、異常にテンションの高い2名である。ジョン・レノンて凄いな。
とりあえず落ち着いて、お互いに煙を吐き出しながら私らは喧嘩ごしで話し合った。
私:「だからね、聞こえるの!コセコセっっ・・・ぶふふふふふふ(←吹き出す)」
カーポン:「オカシイカラ!!違うだろ!!何なんだよコセコセって!!ぶはははは!!」
私:「だって何度聞いてもそう聞こえるもん!!ジョン・レノンは絶対そう歌っているじゃないか!」
カーポン:「絶対そんなの歌ってない!!」
僕:「あ~~~カワカ~ワ、コーセコセッ♪ あ~カワカワ コーセコセ♪」
カーポン:「ひひゃひゃひゃひゃ!!ヤメろ、ヤメてくれ!!歌うな!!(←悶絶)」
とりあえず、その日はずーっと、会うたびに「コセコセ」だけで笑いが止まらなくなる状況になってしまった。1日中、異常にテンションの高い2名である。
その日の夕方も、仕事の帰り際にカーポンと一緒になったので、私はCDウォークマンで「#9 Dream」を無理やり聴かせた。
カーポン:「絶対コセコセなんて歌ってねぇ!!歌ってねぇ、うた、うたって・・・・う・・・・だははははははははははははは!!!!!!!いや、でも違う!!違うけど!!ひゃはははははははは!!!!!」
どうやらそういう風にしか聞こえなくなってしまったらしい。可哀想なカーポンである。
本当はなんて言ってるのか、改めてカーポンに聞いた。落ち着いてきたカーポンがポツリと言った。「これ、暗号かもしれないなぁ」アンゴウ??
「ビートルズでもあるんだよ、いくつか。言語的に意味のない暗号みたいな歌詞。」
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そのまた翌日。
私が昼飯を買いにコンビニへ行ったらば、道でカーポンにばったり会ってしまい。歩きながら、突然カーポンはニヤニヤ笑いながら私にこのメモを手渡した。
↑直筆メモ
私:「?・・・・・・・あぁ!!!・・・・コセコセ!!コセコセだよこれ!!コセコセ!!」
カーポン:「コセコセじゃねぇよ!!そこに書いてあるだろ歌詞!!」
『やっぱり暗号だった』とのこと。なにやら一生懸命ネットで探したら、海外のページでやはり「この歌詞の意味はなんだ?」という話題がいくつか見つかったらしい。
1行目の Bowakawa は言語的に意味不明。
2行目の pousse pousse は乳母車とか三輪車とかの意味になるらしい。
カーポン:「これはジョンの夢の中のコトバらしい。」
ジョン・レノンがアメリカに永住しようとした時に話せば長くなるんで言わないけど、とっても色んな問題が出てきてうまくいかなかったと。その時にジョンはヨーコと別れることになってしまったそうで。そういう不安定な時期の曲。この言葉は、ジョンが見た夢の中で女の人に言われる言葉。
さあ、この文章を読んだ後だと「アーカワカワ コセコセ」にしか聞こえないだろう。
おわり。
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